●宮部みゆき「孤宿の人」(新人物往来社 上・下各1,800円)
少年を描かせたら天下一品!!だと私が思っている著者。
時代小説においても、著者独特の世界を築いている。
この本の主人公は、天涯孤独の身の上、頑是無い女の子。
ちょっとのみこみが悪いから
「阿呆のほう」と名付けられ、奉公先で虐げられ、
ついには幕府の流罪人を預かる屋敷に勤めさせられる。
流罪人を預かる丸海藩の主権争い、幕府が丸海藩を取り潰す
絶好の機会を必死で防ごうとする暗躍に、知らぬ間に巻き込まれる「ほう」とその周辺の人々。
曇りのない心で物事を考えていく「ほう」を守る人たちの温かさが
救いになる。
オビにあるように「宮部ワールド」の傑作。
読者を飽きさせない展開、ほろりとさせられたり
憤りを感じたり、いつの間にか「ほう」と同じ時代を生きているような
錯覚さえ覚える。
「悪鬼」は人の心が創るもの・・・・
私の内には「鬼はいないか・・・」
そんなことも考えた。
やっぱり宮部みゆきはすごいや・・・。
オススメ度 ★★★★

